水のカーテンに包まれる至高の癒やし。阿蘇・小国町「鍋ヶ滝」で美しき絹糸の流れを切り取る

熊本・鍋ヶ滝で出会った絶景。ND1000と長秒露光で描く「光の芸術」
みなさん、こんにちは。フォトグラファーの Yuki Kuroda です。
これまでに数多くの自然風景を撮影してきましたが、何度訪れても心が洗われ、ファインダーから目を離せなくなる場所があります。それが、熊本県阿蘇郡小国町にある「鍋ヶ滝(なべがたき)」です。
お茶のCMのロケーションとしても一躍有名になったこの滝は、落差は約10メートルと小規模ながら、横幅は約20メートルにわたり、まるで優美な「水のカーテン」が開いたかのような圧倒的な美しさを誇ります。さらに最大の特徴は、滝の裏側の洞窟に回り込める、全国でも珍しい「裏見の滝」であるということ。
今回は、新緑のマイナスイオンに包まれた現地でのストーリーとともに、あの滑らかな絹糸のような水の流れをカメラに収めるための本格的な「長秒露光(スローシャッター)」のテクニックを徹底解説します。

熊本県小国町にある名所、鍋ヶ滝。 「裏見の滝」としても知られるこの場所は、いつ訪れても神秘的ですが、朝の時間帯だけに見せてくれる特別な姿があります。
朝の光が描く「光芒」の輝き
早朝の澄んだ空気の中、滝の裏側に回り込んでその時を待ちます。 太陽が昇り、木々の隙間から差し込んだ光が、滝の飛沫と混ざり合って美しい**光芒(こうぼう)**を描き出しました。
まさに自然が作り出すスポットライト。その一瞬の輝きを逃さないよう、慎重に構図を決めます。
今回の撮影セッティング
滝の水の流れをシルクのように滑らかに表現するため、今回はND1000フィルターを選択しました。
- レンズ: SAMYANG 35mm F1.4 Aspherical IF
- フィルター: ND1000(10段分減光)
- 設定: 三脚固定、シャッタースピード30秒
SAMYANG 35mm F1.4の明るい単焦点レンズに、あえてND1000を装着。しっかりと三脚を立て、30秒という長い時間をかけて露光しました。
長秒露光が映し出す「静寂」
30秒という時間の中で、荒々しい滝の動きは消え去り、まるで白いベールが重なっているかのような幻想的な質感に変わります。
その背景で力強く、かつ繊細に伸びる朝日の光。 最新のオートフォーカスレンズではありませんが、SAMYANGのこのレンズが持つ独特の描写力と、マニュアルでじっくりとピントを合わせるプロセスが、この風景にはしっくりと馴染みます。



撮影を終えて
朝の光芒は、時間にしてほんのわずかな間の出来事。 撮影を終えて機材を片付ける頃には、光の角度が変わり、またいつもの静かな森の風景に戻っていました。
不便さを楽しむマニュアルレンズと、時間を止めるNDフィルター。 この組み合わせだからこそ撮れた、納得の1枚になりました。
皆さんも、少し早起きして「光を追いかける旅」に出かけてみませんか?
撮影機材と場所情報
| 機材情報 | |
| カメラ | Canon EOS 5D Mark II |
| レンズ | SAMYANG 35mm F1.4 Aspherical IF |
| フィルター | ND1000 |
| 撮影情報 | |
| 撮影モード | Tvモード |
| 焦点距離 | 35mm |
| シャッタースピード | 30秒 |
| 絞り値 | F4 |
| 露出補正 | 0 |
| ホワイトバランス | 4340K |
| 撮影環境 | |
| 撮影場所 | 鍋ヶ滝 |
| 撮影時刻 | 2018年10月21日 9時10分 |
| 撮影時の天候 | 晴れ |
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